反ワクチン市民への弾圧の可能性

12月24日朝、次のようにブログに書きました。

12月23日、イタリア政府による年末年始のコロナ規制強化策が発表された。

それらは:

1.屋内でのみ義務化されているマスク着用を屋外にも適用。

2.ワクチン接種証明のグリーンパスの有効期間を9ヶ月から6ヶ月に短縮。

3.映画館、劇場、スポーツ観戦、また公共交通機関を利用する際には現在使われているサージカルマスク(医療用マスク)ではなく、FFP2(防塵マスク)を使用すること。

4.現在はグリーンパスが無くても飲食できるバーやカフェ、レストランカウンターなどでもグリーンパスの提示を義務付ける。

5.屋外でのイベントやパーティーを12月31日まで禁止。

など。

12月23日、イタリアの1日あたりの感染者数が過去最悪の44595人にのぼった。

これまでの記録は2020年11月13日の40902人。

また23日の死者数は168。最近では高い数字だが、これまでの最悪記録である、やはり2020年11月13日の550人よりは大幅に少ない。

12月23日の集中治療室収容の患者は1023人、通常病棟のコロナ患者は8772人。

片や昨年11月13日の記録は集中治療室収容の患者が3230人、通常病棟のコロナ患者は30914人にものぼった。

昨年の11月にはまだワクチンはなかった。その事実は数字の高さと相まってイタリア中を不安の底に陥れた。

ワクチン接種を拒む愚民は存在するものの、今年はワクチンが普及したため人々は少し穏やかな年末年始を迎えようとしている。

しかし、クリスマスの祝祭と年末年始の賑わいを考えた場合、イタリア政府の規制策は生ぬるいと思う。

ここ数日で感染が急激に拡大し、ついには過去最悪の数字を超えた事態を軽視していないか。

感染力の強いオミクロン株が、英国を真似て跋扈しそうな雰囲気があり、とても不気味だ。

ところが1日あたりの感染者数はすぐに塗り替えられて、クリスマスイブの新規感染者数は50599人にのぼりました。

筆者はイタリア政府の規制策の強化が十分ではないという思いをますます募らせています。

英仏独などでも新規感染者の数が爆発的に増えています。

イタリアは今のところはそれらの国より平穏ですが、発表された感染抑止策はどう考えても十分ではないように見えてしまうのです。

昨年、3月~5月に医療崩壊にまで陥った際の恐怖を、肺腑にしみて知っているはずのイタリア政府もまた国民も、緊張が長く続き過ぎて心にゆるみができているようです。

年末年始の賑わいが大きくなるほどに感染拡大は続くでしょう。おそらく感染爆発と形容しなければならないほどに。

パンデミックが終息しないのは、ワクチン接種を拒否する頑民の存在が大きい。

終息しなければウイルスは今後も変異を繰り返します。

そこを見据えて各国政府は動き出そうとしています。

つまりワクチン接種の義務化です。

それだけで済めば良いのですが、事態が改善しない暁には国家権力は、反ワクチン市民への弾圧まで考える可能性があります。

権力とはそういう不快なものです。

権力に慈悲を求めるのは、飢えた猛獣をハグしようとするくらいに愚かしい行為です。

 

 

 

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