コロナはもはやインフルってホント?

欧州ではコロナ規制を撤廃したり大幅に緩和する国が相次いでいます。

2月1日にはデンマークが欧州で初めてコロナ規制をほぼ全面撤廃しました。

続いてノルウェーも撤廃を決めました。1月26日から厳格な規制を緩めているオランダもさらに束縛を緩和する方針。

そのほかアイルランド、スウェーデン、英国なども同じ方向に舵を切っています。

少し意外なのは、1日あたりの感染者数が一時50万人を超え現在も数十万人程度の数字が続くフランスが、屋外でのマスク着用義務をなくすなどの制限緩和に動き出したこと。

ただしフランスは一方では、偽のワクチン接種証明を提示した場合、30日以内にワクチンを接種しなければ4万5千ユーロもの罰金と禁錮3年の刑を科すなど、規制を強化している部分もあります。

ここイタリアでも、スペランツァ保健相が、コロナとの闘いは希望の持てる新しいフェーズに入った、と言明しました。

イタリアでは.ワクチン接種年齢の国民の91%が接種。

88%が2回接種。

3回目の接種もおよそ3500万人が済ませています。

集中医療室のコロナ患者占拠率は14,8% 。一般病棟のそれも29,5%に下がりました。

だがイタリアは、おそらく他の欧州諸国、特に北欧の国々とは違って、規制緩和を急ぐことはないと思います。

イタリアは-繰り返し言い続けていることですが-コロナパンデミックの初めに世界に先駆けて医療崩壊を含む地獄を味わいました。

その記憶があるために、ほぼ常に規制緩和をどこよりもゆるやかに且つ小規模で行ってきました。その一方で、規制の強化や延長はどこよりも早くしかも大規模に実施する傾向があります。

それはとても良いことだと思います。

法律や規則や国の縛りが大嫌いなイタリア国民は、少し手綱をゆるめるとすぐに好き勝手に動き出します。

コロナ渦では国民全てのために、そしてお互いのために、不自由でも規制は強めのほうがいい。

平時には断じて譲れない個人の自由の概念を持ち出して、ワクチン接種拒否は個人の自由、などと叫ぶのはやはり控えたほうが賢明でしょう。

それにしても、感染者数がなかなか減らない中で欧州各国が大幅な規制緩和に乗り出すのは、頼もしくもあり違和感もある不思議な気分です。

だが科学の浸透が深い欧州の、しかも北欧の国々が先陣を切って動き出したのですから、それなりの根拠があってのことに違いない。

パンデミックの初期、イギリスのジョンソン首相は国民をできるだけ多く感染させてすばやく集団免疫を獲得するべき、と考えそう動こうとしました。

周知のようにそれは国民の総スカンを食らってポシャり、しかも後遺症で欧州最大のコロナ犠牲者を出す結果になりました。

今回の規制緩和の流れもイギリスが先導した、と言っても構わないでしょう。

ミニトランプのジョンソン首相が、経済回復を急ぐあまり「またもや」勇み足をしたのではないことを祈ろうと思います。

前回はスウェーデンだけが追随して失敗しました。今回は多くの国が倣っているから大丈夫なのでしょうが。。

 

 

 

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official siteなかそね則のイタリア通信

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