干天にひたすら慈雨を待つ

北イタリアは厳しい旱ばつに見舞われています。昨年末からほぼ4ヶ月に渡って雨も雪もまったく降りません。

北イタリアを貫く大河ポーが、枯渇寸前まで水位が下がり大きな問題になっています。

これが夏の出来事なら強い危機感で息苦しささえ覚えていたことでしょう。

昨年夏、イタリアは熱波に襲われました。

南のシチリア島では、欧州で過去最高気温となる48,8℃が記録されました。

雨も少なく、暑さとともに乾燥が続いて山火事が相次ぎました

冬の間の水枯れが異様に感じられるのは、あるいは昨夏のおどろきの暑さと渇水と山火事の記憶が、未だに強く残っているせいかもしれません。

なにしろポー川が冬に枯渇する様を、少なくとも筆者は見たり聞いたりした記憶がありません。

筆者の季節感覚は、近年は菜園の移り変わりとともに多感になったようです。

雨や雪や日照りや寒暖などを野菜に関連付けてあれこれ思案します。

今の干天も大いに気になります。

いや、正確に言えば、春が来てそろそろ菜園の準備を始めようと思い立って以来、空を見上げ、雲の動きを追いかけ、しきりに天気予報をチェックするようになりました。

3月に入ってから少しづつ堆肥を埋め込み、小さな耕運機を動かし、土を覆うマルチをはずしたり移動したりして準備を進めました。

ここ1週間ほどは動きを加速させました。

それというのも、3月30日の水曜日を皮切りに大雨が降る、との予報が出たからです。

その前に土つくりを済ませて種をまき、また雨の後の植え付けや播種にも備える作業をひと息に進めました。

土つくりはほぼ完了しました。サラダを始めとするいくつかの野菜の種もまきました。

今日は、これからCOSTE(フダンソウ)の種を畑に直まきします。

いつもはプランターに苗を作りますが、古い種を整理する意味と直まきトライを兼ねての初の試みです。

作業を済ませたら、あとは静かに雨を待とうと思います。

イタリアの天気予報は最近はかなり正確になりました。

明日はおそらく恵みの雨がやって来ることでしょう。

ウクライナでは人々が苦しんでいます。それを思うと心痛は絶えません。

だが、むごく且つ理不尽ながら、こちら側の時間は何事もなかったかのように平穏に進んでいきます。

 

 

 

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