トラス首相とともに沈み行く英国が見える

トラス英首相が辞任を表明しました。

就任からわずか6週間での辞任。

驚きですが、予定調和のような。

不謹慎ですが、何かが喜ばしいような。

何が喜ばしいのかと考えてみると、ボリス・ジョンソン前首相の鳥の巣ドタマが見えてきました。

ジョンソン前首相はいやいやながら辞任し、虎視眈々と首相職への返り咲きを狙っています。

トラスさんのすぐ後ではなくとも、将来彼は必ず首相の座を目指すことでしょう。

彼の首相就任は英国解体への助走、あるいは英国解体の序章。。。

なるほど。喜ばしさの正体はこれです。筆者は英国の解体を見てみたいのです。

英国解体は荒唐無稽な話ではありません。

英国はBrexitによって見た目よりもはるかに深刻な変容に見舞われています。

その最たるものは連合王国としての結束の乱れです。

イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランド から成る連合王国は、Brexitによって連合の堅実性が怪しくなりました。

スコットランドと北アイルランドに確執の火種がくすぶっています。

スコットランドはかねてから独立志向が強い。そこにBrexitが見舞いました。住民の多くがBrexitに反発しています。

スコットランドは独立とEUへの独自参加を模索し続けるでしょう。

北アイルランドも同じです。

Brexitを主導したのはジョンソン前首相でした。彼は分断を煽ることで政治力を発揮する独断専行型の政治家です。

Brexitのように2分化された民意が正面からぶつかる政治状況では、独断専行が図に当たればあらゆる局面で政治的に大きな勝ちを収めることができます。

言葉を変えれば、2分化した民意の一方をけしかけて、さらに分断を鼓舞して勝ち馬に乗るのです。

彼はそうやって選挙を勝ち抜きBrexitも実現させました。だが彼の政治手法は融和団結とは真逆のコンセプトに満ちたものです。

彼の在任中には英国の分断は癒されず、むしろ密かに拡大し進行しました。

だが国の揺らぎは、エリザベス女王という稀代の名君主の存在もあって、あまり目立つことはありませんでした。

そんな折、ジョンソン首相がコロナ政策でつまずいて退陣しました。

国の結束という意味ではそれは歓迎するべきことでした。

ところが間もなくエリザベス女王が死去してしまいました。

代わってチャールズ3世が即位しました。新国王は国民に絶大な人気があるとは言えません。国の統合に影が差しました。

そこへもってきて就任したばかりのトラス首相が辞めることになりました。

彼女の辞任によって、退陣したばかりのジョンソン前首相がすぐにも権力の座をうかがう可能性が出てきまshじた。

ジョンソン前首相は英国民の分断を糧に政治目標を達成し続けたトランプ主義者であり、自らの栄達のためなら恐らく英国自体の解体さえ受け入れる男です。

彼が首相に返り咲くのは、先述したように英国の解体へ向けての助走また序章になる可能性がありあす。

それは悪い話ではありません。

理由はこうです:

英連合王国が崩壊した暁には、独立したスコットランドと北アイルランドがEUに加盟する可能性が高い。2国の参加はEUの体制強化につながります。

世界の民主主義にとっては、EU外に去った英国の安定よりも、EUそのもののの結束と強化の方がはるかに重要です。

トランプ統治時代、アメリカは民主主義に逆行するような政策や外交や言動に終始しました。横暴なトランプ主義勢力に対抗できたのは、辛うじてEUだけでした。

EUはロシアと中国の圧力を押し返しながら、トランプ主義の暴政にも立ち向かいました。

そうやってEUは、多くの問題を内包しながらも世界の民主主義の番人たり得ることを証明しました。

そのEUはBrexitによって弱体化しました。EUの削弱は、それ自体の存続や世界の民主主義にとって大きなマイナス要因です。

英連合王国が瓦解してスコットランドと北アイルランドがEUに加盟すれば、EUはより強くなって中国とロシアに対抗し、将来再び生まれるであろう米トランプ主義的政権をけん制する力でのあり続けることができます。

大局的な見地からは英国の解体は、ブレグジットとは逆にEUにとっても世界にとっても、大いに慶賀するべき未来です。

《エリザベス女王死去⇒チャールズ国王即位⇒トラス首相辞任⇒ジョンソン前首相返り咲き》

という流れは、歴史が用意した英国解体への黄金比であり方程式です。

というのはむろん筆者の希望的観測ではありますが。。。

 

 

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